国内FXをやってきた方に「取引で何を重要視する?」と聞くと、ほとんどの方が「スプレッド」と答えます。
確かに超短期トレードやスキャルピングがメインの方にとってはスプレッドは非常に重要です。狭ければ狭いほど、トレードで利益を出しやすいですしね。
しかし、FXを行う上でもう1つ重要視しなければならないのが約定力。海外のブローカーはスプレッドよりもこちらを優先する傾向があります。
というのも、いくら見た目のスプレッドが狭くても、スリッページやリクオートが頻繁に起こって思い通りの取引ができなければ意味がありません。
そのため海外FXの約定力は国内FXとは比較にならないほど高くなっています。
今回は海外FX業者の約定力がどれだけ高いのを知るために、国内FX業者の約定力と比較してみましょう。
目次
国内FXの約定力は低い!スプレッドのみの判断は危険!
先に結論を述べると、国内FX業者の約定力は高くありません。
確かにスプレッド自体は広いので、一見取引環境は良いように見えます。しかし、約定力の低さ(頻繁なスリッページとリクオート)を踏まえると、総合的に取引環境は悪いです。
実際に国内FX業者の約定力を調べたデータがあるので見てみましょう。
矢野経済研究所の国内FX業者の約定力に関する調査
矢野経済研究所は1958年に設立された大手市場調査会社。各種市場の調査やソリューションを行っており、様々な業界からその調査に対して大きな信頼を寄せられています。
そんな矢野経済研究所が国内FX業者の約定力に関しても、毎年調査を行っているのをご存知でしたか?
以下が調査要綱です。
この調査対象となっている主要FX業者は国内FXをやったことのある方であれば、誰でも名前を聞いたことがある大手会社です。
それでは実際の調査結果をご覧になってください。
Money Partnersは自ら矢野経済研究所の調査結果を公開しているだけあり、スリッページもリクオートも起こっていません。約定率は100%と文句なしの結果ですね。
注目すべきは2位以下の業者の数字。
スリッページ発生率だと2位で5%、6位では19%もの確率でスリッページが起こってしまっています。単純計算だと5回のオーダーのうち1回はスリップするという結果に…。正直、FXではかなり痛い数字です。
もちろん全てのスリップが不利なスリップではなく、有利なスリップ(ポジティブスリッページ)もあるので一概に100%悪いと言い切ることはできません。ただ、結果を見る限りでは不利なスリップが多い上に、投資家がどちらにスリップするかを判断できるわけではないですよね。
またリクオートに関しても、4位以下になると7.0%の確率で約定拒否が起こるという結果に。こちらは単純計算で14回に1回は拒否されるという事なので、決して良い数字ではありません。むしろ、FXでは多い方です。
国内FXの約定力の低さは注文方式が原因だった。
矢野経済研究所の調査結果からも明らかなように、国内FX業者の約定力の低さが分かっていただけたでしょうか。
実は、国内FX業者の約定力がこれだけ低いのには注文方法が関係しています。
国内FX業者のほとんどがOTC(DD)方式という注文方式。簡単に説明すると、投資家とインターバンクの間にディーラーが介入する取引方法のことです。
このOTC方式では投資家とFX業者は「利益相反」の関係になります。そのため、不利なスリッページやリクオートも起こりやすくなる可能性が高い。業者は投資家が負ければ負けるほど儲かるのですから。
詳しくは「NDD方式とOTC(DD)方式って何が違うの?FXの注文方式の違いとは」をご覧になってください。
海外FXの約定力は国内FXと段違いの高さ!
海外FXの約定力は国内FXとは比べ物にならないほどハイレベル。
当サイトで紹介している中でも約定力の高い3社を見てみましょう。
平均約定スピード(秒) | オーダー執行率(%) | |
---|---|---|
XM(XEMarkets) | 0.336 | 100 |
LAND-FX | 0.035 | 98.22 |
Axiory | 0.302 | 99.84 |
見ての通り国内FXとの約定力の差は一目瞭然ですね。
注目すべきはオーダー執行率だけでなく、その平均約定スピードの速さ。余裕で1秒を切っています。そのおかげで国内FXと比べて非常にサクサク約定。
これだけ約定スピードが速いので、大きなスリッページが起こることは滅多にありません。つまり、自分の思い通りのポジションを持てる可能性がかなり高いという事です。
業者選びではスプレッド+約定力を加味しよう!
もちろんFXではスプレッドの狭さも非常に重要な要素です。
しかし、結局約定力が低ければ本末転倒。肝心の取引が思うようにできません。結局、全体的なトレードコストは高くなってしまいます。
FXの業者選びではスプレッドと約定力、両方をしっかり比較したうえで選ぶことが重要。それがFX業者選びで失敗しないためのコツです。