FXDDは2002年にニューヨークで運営を開始した、歴史ある海外FXブローカーの1つ。
数年前まで日本人の愛用者も多かった人気業者でした。
管理人が海外FXをはじめたときも、周りに利用者は多かった覚えがあります。
しかしそれも昔の話。
今となっては”他人にオススメできない“悪質な業者となってしまいました。
本記事ではFXDDを管理人がオススメできない理由を中心に、FXDDという業者について解説していこうと思います。
FXDDの信頼性の低さを示す”三大”要因
冒頭でも述べた通り、FXDDはまったくオススメできない業者の1つです。
その要因の最たるものが、業者としての”信頼性の低さ“。
FXDDの信頼性が低いと言える理由は大きく3つあります。
【FXDDの信頼性の低さを示す3つの理由】
- ゼロカットシステムを執行しなかった
- 金融ライセンス無登録業者
- 顧客資産管理が分別管理
スイスフランショックでゼロカットを執行しなかった
FXDDを一躍”悪質な業者”として有名にしてしまったのが、スイスフランショックでの出来事。
このFX史上でも未曾有の大惨事において、FXDDはゼロカットシステムを執行せず、顧客に追証請求をしたんですね。
2015年に起きたスイスフランショックではわずか5分の間に1,700pipsチャートが飛びました。
スイスフランショックでは、国内だけでも約34億円の追証が発生し、海外でもアルパリUKなど大手FX業者が倒産にまで追い込まれたほどです。
(参考:一般社団法人 金融先物取引業協会『モニタリング関連資料』)
この際にゼロカットシステムがある海外FX業者では、この事態を受けて顧客にゼロカットを執行し、追証を帳消しにするという対応を施しました。
しかしFXDDだけ、
「今回はサービスの範囲を超えておりますため、顧客同意書上、弊社サービスのご利用にはマイナス額をご入金いただく必要がございます。」
という言い分のもとにゼロカットシステムを執行しませんでした。
FXDDの顧客で追証が発生した方には、追証の支払い義務が生じることに…。
確かに同意書には”必ずゼロカットシステムを執行する”とは書いてありませんでしたが、自社の存続を危ぶみ、いきなり顧客に負債を押し付けるのは業者としてどうなのでしょうか。
当然この行為は様々なトレーダーから糾弾され、FXDDの信用は地に堕ちました。
管理人もこの1件以降FXDDのことはまったく信頼していません。
顧客の信用を裏切るような業者で取引するくらいなら、スイスフランショックのような未曾有の有事でもしっかりゼロカットシステムを執行してくれた業者を選ぶべきでしょう。
金融ライセンスなし(無登録)で運営を続けている
海外FX業者の”運転免許証”たる金融ライセンスですが、なんとFXDDは金融ライセンスを1つも持っていません。
要するに”無免許運転”を続けている状態です。
金融ライセンスには”業者の悪質行為を規制する”役割があります。
自分たちの管轄内で悪質な行為をされてしまえば、金融ライセンスを与えたところの面目は丸つぶれですからね。
しかし無登録ではどこの規制も受けないので、自分たちの好きなように運営・行動できます。
FXDDで悪質な出金拒否・詐欺を働かれたという報告は受けていませんが、仮に今後そういう事態が起こってもなんら不思議ではありません。
FXDDで口座を開設するなら”自己責任でなにがあっても仕方ない“という考えを持った上でしましょう。
顧客資産の管理が分別管理
FXDDの顧客資産の管理方法は分別管理のみです。
海外FXでは信託保全のスキームが義務付けられていないので、”分別管理”自体はそれほど問題ではありません。
管理人が信頼して利用している業者でも、分別管理のところはあります。
問題なのは”無登録業者なのに分別管理のみ“ということです。
管理人が利用している業者は、分別管理のみでも金融ライセンス持ちのところだけ。
きちんと規制をされているので、資産を持ち逃げされたり、運営資金として流用される心配はありません。
しかしFXDDのように無登録となると話は別。
倒産した際に債権の返済に当てられたり、持ち逃げされる可能性は十分にあります。
安心して自分の資産を預ける気にはなりません。
FXDDは取引スペック・環境も大して優秀ではない
信頼性部分にフォーカスしてきましたが、実はFXDDは取引スペックや環境面でも優秀とは言えません。
信頼性という部分を度外視して考えても、特別利用する価値はないでしょう。
スプレッドが一昔前の海外FXレベル
一昔前こそスプレッドが広すぎると言われていた海外FXですが、今ではほとんどのが業者が国内FXに追いつかんばかりのスプレッドを提供しようとしています。
事実、TitanFXやAxiory、LANDFXのように、一部の国内業者よりも狭いスプレッドを提供している業者もあるほど。
しかしFXDDはスプレッドを狭くする流れに全く追いついていません。
今でも”スプレッドが広すぎる”と言われていた頃と変わらないスプレッドを提供しています。
●スタンダード口座と他業者のSTP口座のスプレッド比較
FXDD | LANDFX | TitanFX | XM | |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 2.3pips | 0.8pips | 1.33pips | 1.6pips |
EUR/JPY | 3.0pips | 1.5pips | 1.74pips | 2.6pips |
GBP/JPY | 3.8pips | 1.8pips | 2.45pips | 3.5pips |
AUD/JPY | 3.5pips | 1.6pips | 2.12pips | 3.0pips |
EUR/USD | 1.8pips | 0.8pips | 1.20pips | 1.6pips |
GBP/USD | 2.6pips | 1.2pips | 1.57pips | 2.3pips |
AUD/USD | 1.8pips | 0.9pips | 1.52pips | 1.8pips |
(※)すべて変動スプレッド制を採用しているため、平均スプレッドの値を記載している。
●プレミアム口座と他業者のECN口座のスプレッド比較
FXDD | TitanFX | Axiory | XM | |
---|---|---|---|---|
取引手数料 | 往復0.598pips~0.998pips | 往復0.7pips | 往復0.6pips | 往復1.0pips |
USD/JPY | 1.898pips (1.3pips) |
1.03pips (0.33pips) |
1.10pips (0.50pips) |
1.10pips (0.10pips) |
EUR/JPY | 2.398pips (1.8pips) |
1.44pips (0.74pips) |
1.30pips (0.70pips) |
1.60pips (0.60pips) |
GBP/JPY | 7.898pips (7.3pips) |
2.15pips (1.45pips) |
2.30pips (1.70pips) |
2.10pips (1.10pips) |
AUD/JPY | 2.398pips (1.4pips) |
1.82pips (1.12pips) |
1.50pips (0.90pips) |
1.80pips (0.80pips) |
EUR/USD | 1.598pips (1.0pips) |
0.90pips (0.20pips) |
0.90pips (0.30pips) |
1.10pips (0.10pips) |
GBP/USD | 1.998pips (1.4pips) |
1.27pips (0.57pips) |
1.50pips (0.90pips) |
1.40pips (0.40pips) |
AUD/USD | 1.298pips (0.7pips) |
1.22pips (0.52pips) |
1.20pips (0.60pips) |
1.30pips (0.30pips) |
(※)ECN口座なので「平均スプレッド+取引手数料」の値を記載している。平均スプレッドのみの数値に関してはカッコ内に記載している。(参考:海外FXのECN口座のオススメ業者は?そもそもECN取引って何?)
(※)FXDDの取引手数料はEUR/USD,GBP/USD,USD/JPY,USD/CHF,AUD/USD,EUR/JPY,GBP/JPYのみ往復0.598pips。その他の通貨ペアでは往復0.998pips。
見ての通り、FXDDのスプレッドは、スタンダード口座・プレミアム口座ともに他業者と比べて圧倒的に広め。
スキャはもちろん、デイトレ・スイングですら敬遠したくなる数値です。
スプレッドを重要視するのであれば、これだけでFXDDを選択しない理由になります。
狭いスプレッドを提供している業者をお探しなら、以下の記事を参考にしてみてください。
恒常のボーナスキャンペーンは一切なし
スプレッドがかなり広いので、ボーナスで顧客還元しても良さそうなものですが、FXDDには常時開催されているボーナスキャンペーンが一切ありません。
FX業者は主に以下の2タイプに分かれます。
●スプレッドを削って顧客還元するタイプ
→派手なボーナスキャンペーンこそないが、スプレッドが激狭
(※)TitanFXやAxioryなど
●派手なボーナスキャンペーンで顧客還元するタイプ
→スプレッドこそ並の水準だが、ボーナスキャンペーンが豪華
(※)XMやiForexなど
FXDDは残念なことにどちらにも当てはまりません。
つまり”顧客還元しない業者“なわけです。
一応定期的に期間限定のボーナスを開催してはいるようですが、それも10%入金ボーナスなど”あってないような”レベルのもの。
ボーナス目当てで口座開設するのであれば、XMやLANDFXのように100%入金ボーナスがある業者を選ぶことをオススメします。
関連記事①:海外FXはボーナスの豪華さが魅力!1番ボーナスが良い業者はどこ?
関連記事②:XM(XMTrading)のボーナス3つを超まとめ!(口座開設ボーナス・入金ボーナス・XMロイヤルティプログラム)
ロスカット水準50%でレバ500倍を活かしづらい
FXDDの最大レバレッジは500倍。
この数値だけ見れば海外FXの中でもなかなかです。
しかしFXDDのロスカット水準では、せっかくの最大500倍が活かしづらくなっています。
FXDDのロスカット水準は証拠金維持率50%以下。
以下で証拠金維持率20%の業者と比べてみました。
●前提条件
・5万円入金
・レバレッジ500倍
・ドル円(100円/ドル)
・フルレバ25万通貨ポジる
●ロスカット水準50%の業者
→許容できる含み損:100,000円
●ロスカット水準20%の業者
→許容できる含み損:160,000円
ロスカット水準の数値が高い分、強制ロスカットまでの含み損が少なくなってしまいます。
レバレッジ倍率が大きくなればなるほど証拠金の増減は大きくなるため、慎重にレバレッジコントロールしなければなりません。
ロスカット水準が高い業者で、過剰なレバレッジをかけすぎてしまうとロスカットされやすくなってしまいますからね。
せっかくのレバレッジ500倍ですが、せいぜい300倍くらいのレバレッジが丁度良いでしょう。
(※)ロスカット水準とは
ロスカット水準は各業者が定めている強制ロスカットラインのこと。
ロスカット水準は証拠金維持率に基づいて定められており、含み損の割合が増えるほど下がっていく。
証拠金維持率は「有効証拠金(口座残高-含み損)÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)」で求めます。
最低入金額が25,000円からと高額
FXDDの最低入金額は、スタンダード口座・プレミアム口座ともに高め。
- スタンダード口座:250$(25,000円相当)
- プレミアム口座:1,000$(100,000円相当)
どちらも1万円を超えてくるので、まずは1万円以下の少額から始めたい人には向いていません。
まずは少額入金を考えている方は以下の記事を参考にしてください。
3ヶ月間取引なしで口座維持費がかかる
FXDDでは3ヶ月間で取引履歴が1度もないと、30$(3,000円相当)の口座維持費がかかってしまいます。
口座維持費の具体的な詳細は以下。
●口座維持費が引かれる条件・タイミング
→1月1日・4月1日・7月1日・10月1日時点で、直近3ヶ月(90日)トレードなし
●口座維持費の引かれ方
→口座に30$以上ある場合は、そのまま30$引かれる
→口座に30$未満の場合は、口座残高0になる
→元々口座残高0の場合は引かれない
わりとトレード時期を空けがちの方は注意しましょう。
もしFXDDで長期間トレードする予定がないのなら、事前に全額出金しておくことをオススメします。
出金手数料が発生する
FXDDでは特定の状況下で出金手数料がかかります。
出金手数料の詳細は以下。
●同月内で2回以上銀行出金をする
→毎回40$(4,000円相当)の出金手数料
(※)初回出金・クレジットカード出金の場合は手数料無料
●出金額が100$(10,000円以下)
→25$(2,500円相当)の出金手数料
(※)銀行出金・クレカ出金問わずかかる
これとは別に海外銀行送金では絶対にリフティングチャージが4,000円かかることを考えると、追加で手数料がかかるのはかなり痛いです。
FXDDで出金するのなら、月1でまとまった金額を出金しましょう。
bitwalletなら出金手数料を一律824円にできる
FXDDでは出金方法としてbitwalletが使えます。
もしFXDDを利用するのであれば、出金はbitwalletを使うのが断然オススメ。
出金手数料を824円まで減らすことができます。
●bitwalletを利用した出金手数料の内訳
・FXDD→bitwalletは無料
・bitwallet→自分の銀行口座で一律824円
bitwalletはFXDDのみならず、その他の海外FX業者でもかなり使える入出金手段です。
海外FXをはじめるならアカウントを開設しておいて損はありません。
口座開設は無料で、30分もあれば作れるので、ぜひ作っておいてください。
入金が取引口座に反映されるまで1営業日以上かかる
FXDDでは入金が取引口座に反映されるまで、必ず1日以上かかってしまいます。
入金方法 | 入金から取引口座へ反映される時間 |
---|---|
クレジットカード | 1営業日 |
国内銀行送金 | 1営業日 |
bitwallet | 1営業日 |
海外銀行送金 | 3~5営業日 |
他の海外業者では、クレジットカード・国内銀行送金・bitwalletは即日で反映されます。
(海外銀行送金は3~5営業日どこでもかかります)
今すぐに取引したい場合にはFXDDの入金スピードの遅さはネックになるでしょう。
FXDDの利用は避けるべき。口座開設するなら自己責任で!
ここまでかなり辛口でしたが、FXDDにも日本語サポートが手厚いなど優秀な部分もあるにはあります。。
しかしプラスをすべて帳消しどころかマイナスにするほどのデメリットがFXDDにはたくさんありました。
特に”業者としての信頼性が著しく低い”ことは致命的です。
自分が不利益を被ることが起きても”口座開設した自分が悪い”としか言えませんからね。
もし本記事を読んでもFXDDを口座開設するのであれば、それは自己責任でお願いします。
管理人は本当に信頼して取引できる優良業者を使うことをオススメしたいと述べて、本記事を終わりとします。
会社情報
正式名称 | FXDD Bermuda Limited |
---|---|
所在国 | Bermuda |
所在地 | Clarendon House,2 Church Street,Hamilton HM 11,Bermuda |
ライセンス | 無登録 |
事業開始 | 2002年 |
Eメール | jp@fxdd.com |
電話番号 | (+1)212-720-7050 |
スタンダード口座詳細
注文方式 | STP |
---|---|
取引プラットフォーム | MT4・MT5 |
最大レバレッジ | 500倍 |
追証 | アリ |
平均スプレッド | ドル円2.3pips |
取引手数料 | 無料 |
最小取引単位 | 0.01lot(1,000通貨) |
ロスカット水準 | 証拠金維持率50%以下 |
最低入金額 | 250$(25,000円相当) |
FX通貨ペア数 | 54種類 |
CFD銘柄 | 36種類 |
ボーナス | 期間限定 |
両建て | アリ |
プレミアム口座詳細
注文方式 | ECN |
---|---|
取引プラットフォーム | MT4・MT5 |
最大レバレッジ | 500倍 |
追証 | アリ |
平均スプレッド | ドル円1.3pips |
取引手数料 | 往復0.598pips~0.998pips |
最小取引単位 | 0.01lot(1,000通貨) |
ロスカット水準 | 証拠金維持率50%以下 |
最低入金額 | 1000$(10万円相当) |
FX通貨ペア数 | 54種類 |
CFD銘柄 | 36種類 |
ボーナス | 期間限定 |
両建て | アリ |
入金情報
取引口座への反映時間 | 入金手数料 | |
---|---|---|
クレジットカード (VISA/MasterCard) |
1営業日 | 無料 |
国内銀行送金 | 1営業日 | |
bitwallet | 1営業日 | |
海外銀行送金 | 3~5営業日 |
出金情報
着金スピード | 出金手数料 | |
---|---|---|
クレジットカード | 10営業日 | 1万円以下の出金6,5000円 1万円以上の出金は無料 |
bitwallet | 3~5営業日 | 824円 |
銀行送金 | 3~5営業日 | 同月2回目以降の出金8,000円 1万円以下の出金6,500円(回数問わず) |
日本語サポート
連絡先 | 対応時間 | |
---|---|---|
電話 | (+1)212-720-7050 | 平日24時間 (米国夏時間:月曜午前7時~土曜午前6時55分) (米国冬時間:月曜午前6時~土曜午前5時55分) |
コールバック | 電話で折り返しリクエスト | |
Eメール | jp@fxdd.com | |
ライブチャット | 公式HPより |